いぼ(尋常性疣贅・脂漏性角化症)とは
「いぼ」と一言で言っても、その実態は大きく分けて2つあります。「ウイルス感染」によるものと、「加齢・紫外線」による良性腫瘍の2つに大別されます。これらは見た目が似ていることもありますが、治療法が全く異なります。
このような方はご相談ください
- 手足や顔などにできものができている
- 「ただのイボ」か「皮膚がん(悪性腫瘍)」か不安
いぼの原因
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ウイルス性イボ(尋常性疣贅)
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。皮膚の微細な傷口からウイルスが入り込み、細胞を増殖させることでイボを形成します。他者にうつる可能性があります。
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加齢性のイボ(脂漏性角化症)
老化(加齢)と紫外線による光老化が原因です。ウイルスではないため他者にうつることはありませんが、放置すると徐々に大きくなり、数も増える傾向があります。
いぼの種類
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ウイルス性イボ(尋常性疣贅)
手足の指、爪の周り、足の裏によく見られます。表面が硬くザラザラしており、放置すると自分の他の部位や他人にうつります。足の裏では体重で平らになり、「魚の目」と間違われることも多いですが、削ると出血点が見えるのが特徴です。
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加齢性のイボ(脂漏性角化症)
「老人性イボ」とも呼ばれ、顔、頭、体幹に多く見られます。色は薄茶色から黒色まで様々で、表面がガサガサしたものや、少し盛り上がったものがあります。
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扁平疣贅
顔や手の甲にできる、やや平らなウイルス性のイボです。思春期前後の若年層に多く、一気に数が増えることがあります。
当院の治療方法
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液体窒素療法(凍結療法)
最も一般的かつエビデンスの確立された治療法です。マイナス196度の液体窒素でイボを凍結させ、異常な細胞を壊死させるとともに、局所の免疫反応を高めます。
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外用療法
サリチル酸などを用いて硬くなった角質を柔らかくする貼り薬や塗り薬を併用し、液体窒素の効果を高めます。
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モノクロロ酢酸 ※自費診療です
強力な腐食作用を持つ酸性薬剤で、ウイルスに感染した細胞を化学的に破壊して治療する「腐食療法」の一種です。液体窒素による冷凍凝固療法でなかなか治らない難治性のいぼや、痛みに弱いお子様の治療において、有効な選択肢となります。
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内服療法(ヨクイニン)
ハトムギの種子から抽出された生薬で、体の免疫力を高め、ウイルス性イボ(特に扁平疣贅)の消失を促すとされています。
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外科・手術
多くの場合は液体窒素療法が第一選択となりますが、難治性のものや急速に拡大するものに対して、外科的な手術(切除術や電気焼灼術、あるいは鋭匙による掻爬術)を検討する場合があります。
治療の流れ
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診断(ダーモスコピー検査)
特殊な拡大鏡を用い、イボの構造を確認します。ここで「ウイルス性」か「加齢性」か、あるいは「悪性」の疑いがないかを確実に診断します。
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治療
種類や大きさやご希望に合わせ、治療方針を選択します。
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処置
液体窒素による凍結処置や、モノクロロ酢酸の塗布療法を行います。1〜2週間おきに繰り返すことで、徐々に病変を小さくしていきます。
治療の注意点(リスク)
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治療中の痛みと反応
液体窒素の後は、数日間痛みが出るほか、血豆(血性水疱)ができることがあります。これらは正常な反応ですが、大きく腫れて痛む場合は受診してください。
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モノクロロ酢酸処置後 (※モノクロロ酢酸は自費診療です)
塗布後数時間(通常3〜5時間程度)は、患部を濡らさないようにしてください。
万が一、帰宅後に薬剤が広がって赤みや強い痛みが出た場合は、すぐに絆創膏を剥がして石鹸で洗い流してください。
処置した瞬間は痛くありませんが、数時間から1日ほど経過してから、じんわりとした痛みやヒリヒリ感が出現することがあります。