帯状疱疹とは
帯状疱疹は、体の片側にピリピリとした痛みと、赤い斑点・水ぶくれが帯状に現れる疾患です。加齢や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下が引き金となります。 早期に適切な治療を開始することで、痛みの長期化(帯状疱疹後神経痛)を防ぐことが重要です。
このような方はご相談ください
- 体の左右どちらか一方に、ピリピリ・チクチクする痛みや違和感がある
- 赤い発疹や小さな水ぶくれが、帯(おび)状に集まって出てきた
帯状疱疹の原因
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水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
「水ぼうそう」のウイルスは、治った後も体内の神経節(しんけいせつ)に潜伏し続けています。加齢やストレス、病気などで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して神経を伝わり、皮膚に炎症を起こします。
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水疱瘡と帯状疱疹の関係
初めてこのウイルスに感染すると「水疱瘡」として発症します。治った後も、ウイルスは死滅したわけではなく、背骨近くの神経節(神経の根元)に一生涯潜伏し続けます。この状態を「潜伏感染」と呼びます。その後、加齢や疲労などで免疫力が低下した際に、ウイルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に現れるのが「帯状疱疹」です。
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「水疱瘡にかかったことがない」という方へ
「水疱瘡の記憶がないから、帯状疱疹にはならない」と考えるのは危険です。以下の理由から、実際にはウイルスが体内に潜伏しているケースが多くあります。
・不顕性感染(ふけんせいかんせん): ウイルスに感染しても、症状が非常に軽かったために、本人も周囲も「水疱瘡」だと気づかずに治ってしまうケースがあります。
・記憶の不確かさ: 乳幼児期の発症であったため、本人の記憶になく、親御様も失念されている場合があります。
・ワクチンの影響: 過去に水疱瘡のワクチンを接種していても、年月が経ち免疫が低下すると、体内のウイルスが再活性化することがあります。
結論として、成人の9割以上がこのウイルスを体内に持っているといわれており、誰にとっても「帯状疱疹」は隣り合わせの疾患です。
帯状疱疹の種類
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胸部・腹部
最も頻度の高い部位です。肋間神経に沿って現れます
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顔面・眼部
三叉神経に沿って現れます。目の周りに出ると角膜炎や視力低下、耳の周りに出ると顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)のリスクがあります。
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帯状疱疹後神経痛(PHN)
皮膚の症状が消えた後も、神経の損傷によって数ヶ月〜数年にわたり痛みが残る状態です。
当院の治療方法
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抗ウイルス薬の内服
アメナメビル(アメナリーフ)やバラシクロビル(バルトレックス)を処方します。
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痛みへのアプローチ
急性期の痛みを和らげる消炎鎮痛薬に加え、神経の痛みに特化した治療薬(プレガバリン等)を症状に合わせて処方します。
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後遺症予防
早期に積極的に疼痛コントロールをを行うことで、帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行リスクを最小限に抑えます
治療の流れ
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視診・問診
皮疹の分布と痛みの性質を確認します。
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迅速検査(必要時)
臨床診断が難しい場合、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原キット(デルマチェック)を用いて、その場で陽性判定を行います。
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処方
抗ウイルス薬の服用方法や、日常生活での注意点を説明します。
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再診
皮膚の状態と痛みの推移を確認し、治療の継続を判断します。